ビタミンAとダーマローラーの効果とは?
3月19日のコスメトーク会議での話を中心に、今回は、【ビタミンAがどうして肌に良いのか?】と【ダーマローラーを使うスキンケアがどうして肌を良くするのか?】ということについて、ゆうらく全力(笑)で調べてまとめてみたので、ご一読ください(ペコリ)。
以下ゆうらく独走します。
フェルナンデスメソッド
エンビロン製品と関連する話にとどめようと思っていますが、フェルナンデス氏の提唱するスキンケア・リフレッシュのメソッドは大まかに2種類と捉えるとよいと思います。(リフレッシュのメソッドというのは、ここでは肌を構成するコラーゲンの自己再生を促すような方策の事であると考えてください。)
ひとつめはピーリング系の取組みです。
ピーリング系は、おおまかケミカル(薬)ピーリングとニードル(針)によるピーリングに分かれますす。
ケミカルピーリング
ここでいうケミカルピーリングとは、
【酸性の薬を塗って角層の細胞の結合をゆるめはがす】ことによって【できた傷が自己再生して】健康な角層である皮膚を作り出す事です。故意に傷を作って、それを修復しようとする働きで健康な皮膚の成長を促す治療を創傷治療というようです。その創傷治療で用いられる薬剤には、【レチノイン酸、サリチル酸、乳酸、グリコール酸、トリクロロ酢酸】などがあります。これによって医療現場では火傷痕の治療や角質の荒れなどが治療されています。
フェルナンデス氏は、このケミカルピーリングでは、「乳酸のような弱い酸で(角層を溶かしたり角層間物質を溶かして)浸透性を高めて、ビタミンCやAを与えて皮膚の成長を促すと良い」といっています。(週に数回にとどめよ。紫外線を避けなさい。水などによる中和・・・まあ、水の場合は希釈でしょうけれど・・・をすると良い。)
ニードル(針)によるピーリング(経皮コラーゲン誘導療法)
角層を薬で溶かすのに対して、【3㎜程度までの短い針で皮膚を刺す】ことによって故意に傷を作って、それを修復しようとする働きを用いて健康な皮膚の成長を促す治療法もあります。特に医療現場においては、針で刺した後は生理食塩水でクールダウンする以外に、回復期間(おおむね6週間程度)をとる事でコラーゲン成長を達成することがおこなわれているようです。別段ビタミンCを投与するわけではないのです。
しかしながら、フェルナンデス氏は針の長さは1㎜も3㎜も効果に大きな差はない事や、針で刺したあとにソフトなタイプのビタミンAやCを外用併用することが効果的であると示したのです。現在では、創傷的治療効果がない0.25㎜程度の短い針での二―ドリングや、針自体が化粧成分でできていて刺した後溶解することで成分浸透を強化するような製品も存在しています。これらは浸透増長的な二―ドリングだといえましょう。
wikiによると、二―ドリングの針の長さとその使用によって目標とするところは以下のとおりです。
0.2㎜ ビタミンA,Cやヒアルロン酸などの角層下への供給
0.5~1.0㎜ しわ
1.5~2.0㎜ ニキビ
3.0㎜ 火傷
短い針でも塗った成分が角層を透過する事による効果はあるようです。
ふたつめは、ビタミンAやC,E自体が示す作用
以前のトゥヴェールのビタミンCの誘導体の記事で、ビタミンCは壊れやすく角層を通り抜けて皮膚の内部には届きにくいという事に触れました。実際には、野菜などの経口摂取によって取り込まれたビタミンCは皮膚の成長に欠かせない役割を担っています。皮膚表面の角層の厚みは0.2㎜程度ですが、塗って補うことが出来れば小さくはない変化を与えてくれると分かっていても、ビタミンCがそれを越えることが難しいのです。
※基本的には水溶性成分は小さなイオンであっても角層を簡単に越えることはできません。それに対して、水溶性の逆、油性の物質は角層を通過して浸透していくことが可能です。例えばサロンパスなどはかなり簡単に筋肉まで到達してしまいます。ビタミンCは水溶性なので、それを油性にしてやると浸透性が増すのです。この油性にしたビタミンCがビタミンC誘導体と呼ばれるものです。
ビタミンAは細胞の成長スイッチを入れる
それでは、皮膚の奥に入り込んだビタミンAは何をしてくれるのでしょう。
ビタミンのように微量でありながら生物体内の働きをコントロールする物質はホルモンなどと同様に、その分子の独特な形によってその性質を発揮している面があります。特定の形のカギによってドアが開けられるようなイメージです。
ビタミンA、特にその中で僕の関心を引いたのはトレチノールと呼ばれるビタミンAのひとつです。このトレチノールの分子の形はまさに鍵の形、ミッキーのような耳の出っ張りがある頭の先に比較的しっかりとした形の棒が伸びていて、その先端には水と馴染む(いわば濡れやすい)部品が付けられています。
で、これが(正確にはこれが酸化したものが)細胞内のある部分にかちっとはまります。はまるとそれがスイッチになって(遺伝子のスイッチON)、体を形づくる元であるコラーゲンをつくれという命令が出るというのです。コラーゲンのみならず増産されるのはグルコサミノグリカンやヒアルロン酸も同様です。また、古くなった繊維状の構造物は除去するような作用もあるようです。難しく思える話ですが・・・。
エンビロンの使い方お勧めは!
と、エンビロン、フェルナンデス氏の方法を大まかに知ったところで、効果的でお勧めのエンビロンの使い方をまとめてみました。
(1)トーナーを使う。
トーナーは基本的に角層をほぐし、その後の美容液の浸透を助けます。毎日夜の洗顔後に使い、しばらく置いた後に、水で洗浄してから美容液をつけていきます。エンビロンの場合、トーナー>セラムorジェル>クリームというのが基本の流れだと思います。
(2)週に2~3回、ローラーを使う。
トーナーを使った後に0.25mmのローラーを使い、美容液の浸透性を高めます。そっとやれば麻酔不要で痛みもありません。
0.50mm以上の針を使う場合は、ダウンタイムが6週間必要です。特に麻酔を使ってやるようなローラーの適用は多すぎは傷を深めてしまう可能性もあります。なおちゃん!やりすぎ注意です。
(3)ビタミンA、C、Eをつけましょう。
トーナーの後に、自分の気に入ったビタミンAを含んだ美容液を使います。これはエンビロンから選んだらいいなと思います。朝付けるときは日焼け止めを用いましょう。好みに応じてセラム、ゲル、クリームを選びましょう。
レチノール反応について
最後にレチノール反応についても触れておきます。いろいろなビタミンA誘導体は最終的にレチノール酸になって効果を発揮するのですが、レチノール酸そのものを皮膚に与えると皮膚が赤くなったり痒くなったり剥けてしまったらという反応を生じます。実際に化粧品に含まれているのはパルミチン酸レチノールや酢酸レチノールという、細胞の中でレチノール酸になりうる物質であり、これ自体はレチノール反応を起こしにくいものといわれています。何回かレチノールを使っているとこの反応は押さえられてくるのですが、実際にはレチノールが何かに捉えられてしまってその効果を出せなくなっている可能性があるようです。エンビロンは段階的にビタミンAの濃度を上げていくという手法をとっていますので、その手法の中に抑制との上手いバランスのとり方があるのかもしれません。
レチノール反応に耐性ができる事よりパルミチン酸レチノールをうまく取り込んで欠乏のない状態にすることが大切であるのかもしれないと考えています。トーナーの酸による炎症もありうるので、もし炎症が出ている人がいたらトーナーを使った時は、一定時間後に洗浄したり、ローラーを用いるという方法もよいかもしれません。
さて、エンビロン製品を待つ間にいろいろと調べていたのですが、少しづつ届き始めています。さあ、なおちゃん、じっくりゆっくりと試してみてください!
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